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新聞記事を楽しむ2

だー。がー。と終る。絵文字を交えて書かれた文章が提出された。衝撃を受けた。その日から、文化とはいったい何かとても気になり始めた。

数日後、熊日朝刊の読書面に、加藤・細川氏の江戸時代、肥後熊本の侍は何を考え、庶民はどう暮らしたかを知る、「松寿庵先生江戸咄(ばなし)」の文庫本が紹介されていた。さっそく購入して読んだ。その中に、立役者相良清兵衛の悲劇、人吉藩のお家騒動と化け猫話、人吉藩の事情など、当地の歴史の話もあった。今に繋がる文化のしくみが理解できた。

また、4月25日の熊日朝刊一面には「人吉球磨日本遺産にー第1号『相良700年』文化財群」と大きく紹介されていた。価値ある歴史と文化を活用し、地域振興を図る活動を認定して予算を配分するようだ。ますます、地元の文化を学び身に付けていく必要が迫った気がする。

そんな折、5月15日の熊日朝刊新生面に、「子どもたちが人生の知恵を学ぶのは大人との労働を通してであり、『欲望とその実現までのプロセス』こそが文化である。」と作家の故米原万里さんの言葉が紹介されていた。文化を理解する明快なまとめに出会えた。

ディジタル文化により、検索で解答、SNSで伝達、瞬時に欲望が実現できるようになった。たしかに便利である。しかし、この過程では思考まで短縮される気がする。

答えは遅れるが、捜して読む、それを写す活字の文化の欠如がこの一件の一つ要因ではないのか気づかされた。変化の時代だからこそ、魚を与えるだけでなく、獲る技術とだれが獲ったのか、全体構造を把握できる思考を育てるじっくり読む文化を大切にしたい。

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