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新聞記事を楽しむ12

 ~「なつめを持って学校へ」~

今日は、漆塗りのなつめ(茶器)を持って学校へ向かう。はたして、
「商品について学ぶ商品教育を十分行っているか、伝えているか」と
考えてしまう。
12日、大会出場のため長崎県大村市へ向かう途中、陶磁器の街、
有田を訪ねた。5月の陶磁器市の賑わいとは違った落ち着いた静寂な
街並みを歩いた。後日、かつて250億を売上げていた陶磁器が昨年は
43億と激減している現状を聞き、衝撃を受けた。また、その減少につ
いて、「伝統の色絵や光沢にこだわり、消費者のニーズに合致してなか
った」との分析にも驚いた。
残念な思いで、2月4日、熊日の芸能、劇作家で演出家の倉本聰さん
の切抜き記事、【「1977年から北海道・冨良野で暮らし、1月から
の舞台『屋根』の再演で、『消費社会の都市が幅を利かせて日本を動か
し、食糧を生み出す農村は疲弊し崩壊していく。このままでいいのか。』
と現代の日本人に問題を投げかける。執筆のきっかけは、かつて趣味と
していた廃屋巡りだった。大みそかに食事の途中で逃げ出したと思われる
部屋があったり、ある歌手の子役だったころの雑誌が散乱していたり・・。
『ここに住んでいた人たちは、どんな思いでふるさとを捨てたのか』。農村
を離れざるを得なかった人々の思いを込めて2001年に初演。母や祖母が
夜なべして繕ってくれた靴下に「愛情」という価値を感じていた幼少時とは
異なり、使用年数の経過とともに物の価格は下がり、使い捨ての時代になっ
た。】を読み返した。使い捨て時代。数百年間培われた知識、知恵の伝統文
化の街、有田が押し流されてしまうのではないか。伝統産業の廃業と職人の
失業は避けられないのでは。「これでいいのか」。商品の魅力や見どころを
伝えなくては。「新聞切抜きを配付しよう。」、「実物の見どころを説明し
よう。」と心新たにした。



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