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新聞記事を楽しむ35

~雪山を眺め人恋しく思う~

日曜日、雪の中で一週間の薪を作りながら、村下孝蔵の“初恋”、「好きだよと言えずに初恋は ふりこ細工の心 放課後の校庭を走る君がいた 遠くで僕はいつでも君を探していた・・・」を聴いた。すると、歌詞を描いた水俣の中学生時代に大好きな女生徒へ心を寄せ、テニスの練習をしている姿を校庭の隅から眺めている純粋な光景が浮かんできた。純粋な無垢な学生になったかのようで、心地よく人恋しくなったりした。きっと雪景色と樫の木の甘い香りが醸し出したからだと思った。また、「これやったら、どうなるんですか」、それは「どうなるかやってみて下さい」や「単純で明快な解答でお願いします」、しかし「その過程がとても大切なのですが」など、遠回りの楽しみを伝えたい気持ちからかもしれない。そうこう思いながら卓上丸鋸を操作し一輪車8台の薪を作り終え、さらっと新聞切る抜きを読んだ。すると、19日の記事に絵本作家・加古里子さんと解剖学者・養老孟司とのこどもへの思いにつて特別対談があった。「養老さんは『子どもは感覚が非常に敏感。それをどんどん消して(周囲)同じにしていくのが今の大人。僕は子どもと野山で遊ぶしかないと思います。勝手に木や草が生え、石が転がり、都市に住み人には無意味なものばかり。今はコンピューターの中のようなコピーの世界を作り続けている。でも人は動物。特に子どもはそう。野山で遊ぶしかない』。また、加古さんは『子どもには、自ら積極的に意欲を持つという導きが大切ですね。教育の無償化も言われていますが、お金も問題だけで考えるのはだめ。政治や経済の仕組みが足りないことに、何たることかと思います。僕はずっと子どもたちに、より美しく、よりたくましく、より健やかに、頑張ってくださいと言ってきました。自我の通りやらせて』」と語り合われた。あらためて雪山を眺めた。

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