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新聞記事を楽しむ30

~がまがえると猫の優しさに心が沁みる~

9月4日の夜、県民体育大会に出場する球磨郡バドミントンチームが練習している髙山体育館の入り口に、目をくりくりさせ、ちょこんと座った珍客のがまがえるの姿があり、我々の応援に来てくれた。練習していたみんなが大喜びした。中には、頭を“よしよし”となでる選手もいて、練習終わり近くになると、ノソノソと家路へ向かい歩き出し、みんなで見送った。心が和んだ練習日だった。

がまがえるの余韻が残る次の朝、新聞を読むと、【東京パラ22競技537種目・史上最高4400人参加バドなど新採用】、東京パラリンピックで新採用のバドミントン、テコンドーを含めた22競技で、計537競技を実施することを決めた。また、【毎日一つ成長を・五輪『金』平野さん講演】、自分のモットーを『日々前進』と紹介、『周りと比較するのではなく、昨日の自分と今日の自分を比較して、何か一つでも成長しようと頑張ってほしい』の記事に注目した。それから、【障害のある猫、家族に迎えて、30日福岡市で譲渡会】、『障害がある猫は性格が優しい』の記事を、右手が不自由で毎日テーピングが日課だったきじ猫のタマを思い出しながら読んだ。帰りを待ってくれた可愛いタマだった。優しい気持ちになれた。

ところが一転、【高2男女刺され死傷、交際トラブルか殺人疑い15歳逮捕】、『彼女を取ろうとしたので殺そうと思ったと供述』の記事に、身勝手な『取られる』だから『殺そう』としか考えが及ばない思考力の高校生に怒り心頭した。数日前に、人生の後半はスローライフを満喫しようと、大阪から夫婦で奄美大島の大和村に移住していた「関西のつり」前編集長の友人が、自宅そばで夕涼みしていたところを近所に住む犯人から「誰でもよかった」とサバイバルナイフで刺され亡くなり、怒りと悲しみを経験したばかりだった。身勝手で選択肢の少ない思考に育つ要因は何か。

 

がまがえると猫のやさしさが心に沁みた朝だった。

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