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新聞記事を楽しむ41

~心で感じる~

京都の老舗旅館「俵屋」を紹介した本、「俵屋の不思議」の中に、女将佐藤年さんが、「地方の旅館や郷土料理の店などに見る、時代と風合いを感じさせる煤(すす)けた肌合い、あれがまだペーパーをかけていない部分の色に近い。こういう風合い、味わいというものがあるが、宿泊を基本とした旅館の立場からは、これを放っておくのは客に対して無礼にあたるというのが『俵屋』の考えです。そこで、天井やはめ板や槙の風呂桶を専門に洗う京都職人、『洗い屋』野口米次郎さんへお頼みしています」。その野口さんについて「ふつう職人さんは物をつくって残しますでしょ。でも、彼の仕事は目に見えなくすることなんですよね。それって凄いと思っているんですよ」と紹介されていた。このことを理解している施主が存在するかぎり、職人としての野口さんは孤独にならないだろうと思った。嫌な忖度競争や無責任な発言が続く中、ほっと一安心した。

そんな気持ちで、7日の立秋の朝刊を開いた。やはり、「多くのトンボが飛び交い、ようやく秋を見つけてリフレッシュできましたと、笑顔で話した。」「感謝の気持ちが勝因。これからも周りの人への感謝を忘れず、レベルアップしていきたい。」「仲良くが優先され、思っていることが言えないのでは、個人の尊重なんて絵に描いた餅だ。本当の仲の良さとは、思っていることを言い合っても崩れない関係であり、縮こまるなと言いたい」などの言葉が心に残った。

そして、「今、私たちは、強く平和を願います。平和とは、自然に笑顔になれること。平和とは、人も自分も幸せであること。平和とは、夢や希望をもてる未来があること。苦しみや憎しみを乗り越え、平和な未来をつくろうと懸命に生きてきた広島の人々。その平和への思いをつないでいく私たち。73年前の事実を、被爆者の思いを、私たちが学んで心に感じたことを、伝える伝承者になります。」の記事、『平和への誓い』文を読み返した。



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