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新聞記事を楽しむ53

~インターハイの試合を観戦して~

8月5日の朝、南九州インターハイ、バドミントン競技個人戦、男女単複の準決勝、決勝が行われる八代トヨオカ地建アリーナの体育館の観覧席前に、前日まで掲げられていたバドミントン部保護者一同の黄色い八代東高校の部旗が、「克己」(自分に打ち勝つ。心の中に起こる衝動・欲望を意志の力によっておさえるの部旗)に掛け替えられた。この瞬間をステージの本部席から見て、胸に深い感動を覚えた。45年前、放課後は体育館が使用できず、時には同じ生徒なのに「なぜ体育館が使えないの」と涙しながら、毎朝6時から練習していたバドミントン同好会時代の部員が考えた「克己」の言葉で、つい当時の思いがこみ上げてきた。

また、隣で一緒に記録進行の業務を担当していた同校OBから「先生、あの部旗『克己』は二代目です。初代目は古くなったので、ケースに入れ体育館で保管してあります」と心温まる言葉もあった。OBたちがこの光景や話を聴くときっと感激するに違いないと思い、男子個人複の浦・野田選手の準決勝と男子個人単、野田選手の決勝をステージから観戦した。

その結果は翌朝、8月6日の新聞記事に「野田(八代東)準優勝、『やれることはやった。周りもしっかり見えていたし、幸せな時間でした。相手の奈良岡選手とは中学時代1度対戦したが、いいようにもてあそばれた。決め急いでしまった。でも、ノータッチエースなど前より成長したところも見せられたと思う。同じメダル2個は嫌だったし、高校生活の集大成の大会で最後に一番良い成績を残せました』」と試合後の野田統馬選手のコメントがあった。また、男子個人複3位、浦降斗選手の「全力で向かってきた相手に対して動きが止まった。地元の応援に応えられず悔いが残る」とのコメントもあった。親子鷹の選手や寮生活で日本一を目指す選手の素晴らしい試合の運営と創部当時の思いを伝えられている現監督への感謝の10日間だった。

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