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新聞記事を楽しむ55

~記事と観音さんと幸野溝から~

9月25日の記事、グレタさん(16)が国連本部で開かれた「気候行動サミット」で演説した文「あなたたちが話すのは金のことと、永遠の経済成長というおとぎ話だけ。私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない」を読み、グレタさんの頼もしい考えに感動した。しかし3日後の記事「『ふざけた組織』関電20人に3億2000万円」では、悲しくなってしまった。そんな複雑な気持ちの時、21日に書いた三十三観音菩薩巡りの文を読み返してみた。
「9月21日の朝、相良三十三観音菩薩巡りに出発した。今年はお堂造りや各観音菩薩さん(聖観音・十一面観音・馬頭観音・千手観音)の表情から、自らの生き方を豊かにするきっかけを求めた旅にするため、事前に数冊の書物を読んだ。廻る途中で、木々の中のお堂と観音菩薩さんの表情が調和し合い、自然を感じ、自然への畏敬の念が湧いてきた。また、地域の方々が観音菩薩さんを大切に守り、それぞれに心通う料理で、あえて説明を少なく、謙虚なおもてなしに、人の縁のすばらしさも感じた。そして、秋時観音・宮原観音・中山観音・上里の町観音・宝陀寺観音・城泉寺へお参りする道筋に、こうこうと流れている幸野溝があった。しばらく眺めながら、事前に読んだ「湯前町史」の中に【幸野溝の開鑿(開削)】の歴史の一文、『高橋政重は二十三代藩主、相良頼福に幸野溝工事再開を訴願した。しかし藩主は許さなかった。今や政重は孤立無援であった。蜿々と掘り上げた溝筋や堤防、破壊し尽くした井堰や樋門、再び荒野に還ろうとしていた。彼は三度立ち上がった。自ら文蝶を作り、自ら郷村を巡って幸野溝の開鑿の可能性を訴え、その必要性を力説した。人の真心というものは誠に尊いものであり、熱心というものは恐ろしいものである』を思い出した。当時の人たちは損得では仕事はしなかった。後々のために。道理が常に土台であった。「自然、人の縁、道理」と書いていた。

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